この記事の内容
源泉徴収票の見方が分かると、節税や控除のことが分かるようになる😊
そこで、「源泉徴収票とはどんなものか」や、「源泉徴収票の見方」を解説👐
私の実際の源泉徴収票で例を出しながら、わかりやすく解説していきます🌸
会社員が毎年渡される書類の1つに「源泉徴収票」があります。
でも源泉徴収票ってよく聞くけど、「何に使われているものなのか?」「金額の意味」などがよく分からないですよね。
私はサッパリ分からなかったのですが、興味本位で調べて源泉徴収票の見方が分かると、節税の基本が分かって、ふるさと納税や投資など、税金絡みのお得な情報も理解しやすくなりました。
限られた収入の中でやりくりするために、税金の知識を持っておくとよりお得な生活がしやすくなりますよ。
そこでこの記事では、
- 源泉徴収票とは何か?
- 源泉徴収票の見方
を、会社員の私の給与明細を元にしながら、分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで源泉徴収票の見方が分かって、節税で手取りを増やす第一歩を踏み出せますよ。
Contents
源泉徴収票とは?
そもそも源泉徴収票ってなんだろう?
源泉徴収票は以下のような書類です。
「源泉徴収票」とは、
- 給与を支払う者(会社)が1年間の中で支払った給与の合計額
- 実際に源泉徴収をして税金がいくらになるのか
を記載したものです。
この源泉徴収票を使って、所得税や住民税などが計算されます。
源泉徴収票から分かること
源泉徴収票を見ると、以下の3つが分かります。
- 年収
- 手取り(可処分所得)
- 課税対象がいくら少なくなったか
私たちが「給料を支払う者」(会社)からもらったトータルの金額が、年収にあたります。
実際にはこの年収から、保険料や税金が引かれた額が、実際に使える「手取り(可処分所得)」の金額です。
ただ、この「保険料や税金」にはルールがあって、このルールが計算を複雑にしています。
保険料や税金のルールとは、例えば
- 会社員やってると、スーツのクリーニング代とか靴代とかかかるでしょ?その分税金少なくするね
- 家族がいる人はちょっと税金少なくするね
- 生命保険に支払った分は、ちょっと税金少なくするね
といった、主に税金を少なくしてくれる内容のこと。
この「税金を少なくしてくれる内容」のことを「控除」と言います。
そして控除の金額も、源泉徴収票には記載されています。
源泉徴収票の使い道
源泉徴収票は、主に以下のようなケースで使います。
- 部屋を借りる賃貸契約時の収入証明
- 住宅ローンを組む時の審査や融資
- ふるさと納税の上限額の計算
- 子どもの保育園の手続きや、子ども手当の手続き
普段はあまり使うことがありません。
主に収入の証明が必要なシーンで使われることが多いです。
利用頻度が低いとは言え、いつ、どこで必要になるか分かりませんので、源泉徴収票は大切に保管しておきましょう。
源泉徴収票の入手方法
源泉徴収票は、「給料を支払う者」(会社)が翌年の1月31日までに、私たち会社員に源泉徴収票を発行してくれます。
「給料を支払う者」(会社)には源泉徴収票を発行する義務があるので、こちらから特別な申請をしなくてももらえます。
また、年末調整を行った後の給与の支払い金額が500万円を超える場合、会社は税務署にも源泉徴収票を提出しています。
退職後も源泉徴収票がもらえる
基本的には年末~年始にもらうことが多い源泉徴収票ですが、退職した場合は、退職後1か月以内に源泉徴収票がもらえます。
給料を支払う者(会社)は、源泉徴収票を退職後1か月以内に発行することが義務付けられています。
退職後の源泉徴収票は、主に以下のようなケースで使います。
- 再就職時に、給与の参考にするため提出を求められる
- 再就職先の年末調整に利用する
- 自分で確定申告する
再就職をするにしても、しないにしても、源泉徴収票は必要になってきます。
退職後にもらった源泉徴収票も、大切に保管しておきましょう。
発行されない、紛失してしまったという場合は、会社に伝えると発行してもらえます。
源泉徴収票の見方
源泉徴収票がどんなものか分かっても、その見方はやっぱり分からないですよね。
ここからは、私の源泉徴収票を用いて、源泉徴収票の見方を解説していきます。
1.支払金額
まず初めにチェックしておきたいのが「支払金額」の欄です。
「支払金額」は
1年間(1月~12月)に給与・賞与として支払いが確定した金額の総額
を指します。
一般的に「年収」と呼ばれる金額ですね。
この「支払金額」には、
給与、賞与・残業代、手当て、ボーナス、税金
なども含まれています。
ですが「通勤手当」や出張時の「交通滞在費」など、非課税の手当てについては含まれていません。
また、12月末締めで1月にお給料が支払われる場合、実際にお給料を受け取るのは1月で年度をまたぎますが、源泉徴収票では「12月に働いた分」も含めて計算されています。
2.給与所得控除後の金額
次にチェックしたいのは、「給与所得控除後の金額」の欄。
私の源泉徴収票では、1,726,800円となっています。
この「給与所得控除後の金額」は、
「支払金額」から「給与所得控除額」を差し引いた金額
のこと。
ここで差し引かれている「給与所得控除額」は、いわゆる「経費」のことを指しています。
「サラリーマンって経費なんてかかってないよ?」と感じてしまいますが、仕事をする上では、例えば
- スーツのクリーニング
- 仕事で履くパンプス
- スキルアップのための書籍の購入
など、仕事をしていく上でかかるお金がありますよね。
「自営業の人は必要なものにかかったお金を経費として差し引けるのに、会社員は仕事で使うものにも税金がかかってくるなんて不公平なのでは?」といった理由から、
会社員が仕事で必要になってくる経費は、「給与所得控除」として税金の計算から外そうぜ!
という、会社員にとってありがたい控除です。
この「給与所得控除額」の金額は、「支払金額」(収入)に応じて定められています。
「支払金額」(収入)が多いと、給与所得控除の金額も大きくなっていきます。
給与所得控除の計算表 | |
---|---|
源泉徴収票の「支払金額」 | 給与所得控除額 |
180万円以下 | 収入金額×40%または65万円のどちらか多い方 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円超~1,000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1,000万円超 | 220万円(上限) |
給与所得控除額の計算表は年度によって変動します。上記の表は平成29年度、30年度の計算式です。 参考:給与所得控除の計算式(国税庁) |
ただし、気を付けたいのが源泉徴収票の「支払金額」が660万円未満の場合。
源泉徴収票の「支払金額」が660万円未満の場合は、4,000円ごとに給与所得控除額が刻まれているため、上記の計算式では「給与所得控除後の金額」にズレが生じます。
収入(支払金額)が660万円未満の方は、上記の表は概算程度に利用するか、正確に計算するのであれば「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(第二十八条、第百九十条関係)(国税庁)」を利用してくださいね。
「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(第二十八条、第百九十条関係)(国税庁)」は文字数が多くて、ページがかなり重いです。パソコンからの閲覧をおすすめします。
「給与所得控除」が何か分かったところで、私の源泉徴収票をもう一度見てみましょう。
私の源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」は1,726,800円となっていますよね。
私の源泉徴収票の「支払金額」は2,725,684円で年収660万円未満のため、正確に計算するために「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(第二十八条、第百九十条関係)(国税庁)」の表に当てはめると、「給与所得控除後の金額」は1,726,800円となっています。
源泉徴収票に記載された「給与所得控除後の金額」と一致していますね。
3.所得控除の額の合計額
次にチェックしたいのが、「所得控除の額の合計額」の欄。
この「所得控除の額の合計額」には、
上記の「2.給与所得控除」以外の所得控除の合計額
が記載されています。
ザックリ言うと、
経費(給与所得控除)以外にも、ライフスタイルによってはお金がかかることもあるよね!該当の項目に当てはまる分は、税金の対象外にするよ!
という項目です。
「所得控除の額の合計額」が多いほど、税金の計算から外される金額が増えるため、支払う税金も少なくなりますよ。
「所得控除の額の合計額」で控除される項目は、以下の12個です。
「所得控除の額の合計額」に記載される控除
- 基礎控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 配偶者特別控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- 寡夫控除
- 勤労学生控除
- 小規模企業共済等掛金控除
これらの控除のうち、「①基礎控除」と「②社会保険料控除」は、特別な申請をしなくても会社が計算して適用してくれます。
ですが「③生命保険料控除」から「⑫小規模企業共済等掛金控除」までは、年末調整で書類の提出をしないと適用されません。
年末調整をした場合は、源泉徴収票の該当する項目に、控除額(税金の対象外となった金額)が記載されます。
この「所得控除の額の合計額」が大きいほど課税対象となる金額を減らすことができて、節税できます。利用できる控除はどんどん利用しておきたいですね。
利用できる所得控除は人によって変わりますが、以下の控除は比較的該当する人が多いです。
所得控除の詳細は「関連「所得控除」とは?どういう意味?控除の種類について分かりやすく解説!」で解説していますので、こちらをどうぞ。
ここで、もう一度私の源泉徴収票を見てみましょう。
私の源泉徴収票では、「所得控除の額の合計額」は847,477円となっています。
この金額分が、税金の計算から外されています。かなり大きい金額ですね。
この847,477円の内訳は、
393,107円(社会保険料等の金額) + 74,370円(生命保険料の控除額) + 38万円(基礎控除)= 合計847,477円
となっています。
基礎控除は源泉徴収票に記載されていませんが、「所得控除の合計額」の欄で計算されます。
4. 源泉徴収税額
最後にチェックしたいのが、「源泉徴収税額」の欄です。
「源泉徴収税額」は、これまでのもろもろの計算をして確定した、今年の所得税の合計金額です。
上記の1~3で求めた金額をフル活用して計算します。
ただ、実はこの税金の計算が少しややこしいです。
というのも、源泉徴収税額の計算方法は、従来は
課税対象の所得(「2.給与所得控除後の金額」ー「3.所得控除の額の合計額」のこと) × 所得税率 → 1,000円未満の端数は切り捨て ー 一定の控除額 → 100円未満切り捨て
でした。
ですが東日本大震災の復興のため、平成25年1月1日から「復興特別所得税」として納税率が2.1%上乗せとなり、所得税率×102.1%で計算しなければいけなくなりました。
つまり、令和元年現在は、
課税対象の所得(「2.給与所得控除後の金額」ー「3.所得控除の額の合計額」のこと) × 所得税率×102.1% → 1,000円未満の端数は切り捨て ー 一定の控除額 → 100円未満切り捨て
という流れで計算されます。
この流れに沿って、計算を見ていきましょう。
まず途中で所得税率を乗じるステップがあるため、あらかじめ所得税率を割り出しておきます。
所得税率は「課税対象の所得」(「2.給与所得控除後の金額」ー「3.所得控除の額の合計額」のこと)によって決まります。
例えば私の所得税率は、
- 所得税率:5%×102.1%=5.105%
- 控除額:0円
となります。
そして
課税対象の所得(「2.給与所得控除後の金額」ー「3.所得控除の額の合計額」のこと) × 所得税率×102.1% → 1,000円未満の端数は切り捨て ー 一定の控除額 → 100円未満切り捨て
の計算に当てはめていきましょう。
- 1,726,800円 ー 847,477円 = 879,323円 → 879,000円(1,000円未満の端数は切り捨て)
- 879,000円 ー 控除額0円 = 879,000円
- 879,000 × 5.105% = 44,872円 → 44,800円(100円未満の端数は切り捨て)
となり、源泉徴収税額は44,800円となります。
いろいろな計算の過程を辿ってきましたが、この44,800円が、私のこの年の所得税となります。
源泉徴収票は、見かけ上書いていない数字がいきなりどこかからやってくるから分かりにくいんですよね。ですがルールに則って計算されているので、ひとつひとつをバラして見ていくと計算しやすいですよ。
まとめ:源泉徴収票の見方を知り、支払っている税金や節税を意識しよう!
源泉徴収票の見方を知ると、色々な数字が分かります。
自分の年収や手取りが分かるだけでなく、
- いくらが税金の計算から外されたのか
- 自分の所得税はいくらなのか
- 自分の所得税率がいくらなのか
など、目に見えない数字を知ることが出来て、節税の大切さが分かりますよね。
課税対象となる金額を減らすことで、支払う税金が少なくなる。控除がいかに大切なことなのかを、源泉徴収票の見方を知ることで初めて認識しました。
まずは自分の源泉徴収票を見て、お給料のいくらが税金なのか、税金から外されている金額がいくらなのかを、ぜひチェックしてみましょう。
以上、「【画像アリ】源泉徴収票で何が分かるの?見方を分かりやすく解説します。」の内容でした。