健康なことに越したことはないし、できれば病院のお世話にはならないでおきたいところ。
でもどうしても日頃の疲れが溜まったり、不摂生がたたったりしてしまって大きな病気になってしまうこともありますよね。
そして病気になってしまうと、体がツライというのはもちろんですが、金銭的にもツライのもまた事実…。
病気の治療でお金が多くかかってしまったなぁ…。
そんな時に役立つ制度が医療費控除です。この医療費控除を活用することによって、還付金をもらうことができ、金銭的な負担を少し減らすことが出来ます。
ふぅん。でも医療費控除ってなに?どうすればいいの?
じゃあ、今回は医療費控除の仕組みや何が対象になるかなどを見ていこう!
この記事では医療費控除の仕組みや申請に必要な書類、控除の対象として申請出来る費用や出来ない費用などについて見ていきましょう。
Contents
医療費控除は「収めた税金の一部が戻ってくる制度」
そもそも医療費控除ってなんだろう?
ざっくりと図にするとこんな感じかな!
医療費控除というのは、1年間の間に病気やケガなどの治療で一定額以上の医療費がかかってしまった場合、申請することによって収めた税金の中から一部が還付金として戻ってくるという制度です。
「お金が戻ってくる」とは言っても、医療費控除は医療費として払った額が全額還付されるというわけではなく、あくまで支払った医療費に応じて税金を計算し直して、その差額が戻ってくるというものなので注意しましょう。
そして医療費控除で戻ってくる還付金はいくらかと言うと、1年間でかかった医療費の合計から保険金などで補填された額と10万円を差し引いた金額となります。
つまり年間の医療費が10万円を超えている場合は医療費控除を受けることが出来るということになりますね。
Check!
保険金で補填された額というのは、生命保険や入院給付金、健康保険で支払われる高額療養費や出産育児一時金などを含みます。
ちなみに医療費控除の限度額は200万円までとなっています。
また、総所得が200万円以下の人の場合は、年間医療費から引かれるのは10万円ではなく、「総所得の5%分」となります。
所得によって計算方法がちょっと変わってくるんだね!
医療費控除は家族の分をまとめて申請することが出来る
病院に行ってもなかなか10万円なんていかないんだけど…。
医療費控除は実は家族の分もまとめて10万円以上の医療費になれば申請できるんだよ!
医療費控除は自分の分だけではなく、家族の医療費の分もまとめて申請することが可能です。
もっと厳密に言えば生計が同一であれば申請をまとめることができるため、同居している必要はありません。例えば一人暮らしの子供や親へ仕送りしている場合において、その子供や親が支払った医療費も控除対象になります。
家族の分の医療費もまとめることで医療費控除を受けることができ、税負担を少しでも減らすことができるかもしれませんので、自分以外の家族が病院の治療を受けた場合なども忘れずに領収書や明細を保管しておくのがいいですね。
医療費控除の対象となるもの、対象外となるものは?
家族の病院代も全部含めたら10万円を超えそう。
でもね、実は医療費控除の対象外になるものもたくさんあるんだよね…。
医療費控除と言っても、医療機関での支払いが全て対象になるわけではありません。中には医療費控除の対象外となり、申請することが出来ないものもありますので注意が必要です。
医療費控除の対象となるもの、対象外となるものについては、以下のものが挙げられます。
医療費控除の対象
- 病院での診療費・治療費・入院費
- 意志の処方箋をもとに購入した医薬品の費用
- 治療に必要な器具(松葉杖など)の購入費用
- 通院などにかかった交通費
- 歯の治療費(保険適用外の費用も可)
- 治療のためのリハビリやマッサージにかかった費用
- 介護保険の対象となる介護費用
- 子供の歯列矯正にかかった費用※
医療費控除の対象外
- 人間ドックや健康診断の費用※
- 予防接種の費用
- 美容整形の治療費
- 漢方薬やビタミン剤の費用
- マイカーで通院した場合のガソリン代や駐車場料金
- 里帰り出産のための実家への交通費
- 自分の都合で利用した差額ベット代
人間ドックや健康診断の費用は基本的には医療費控除の対象外ですが、その診断で病気が発見されて治療を行った場合には医療費控除の対象にすることができます。
また、子供の場合は医療費控除の対象内となっていた歯列矯正の費用ですが、大人が行う場合は美容整形目的の治療として扱われるので医療費控除の対象外となってしまいます。
医療費控除の面から見ると歯列矯正は子供のうちの方がいいのかもなぁ。
医療費控除を受けるには?
医療費控除を受けるにはどうしたらいいんだろう?
医療費控除を受けるためには確定申告の際に申請をする必要があります。
これは個人事業主などの経営者の方だけではなく、会社に勤めている給与所得者の方も同様です。医療費控除を受けるためには誰であっても確定申告をしなくてはいけません。
Check!
会社員の方は通常は会社が年末調整で確定申告をしてくれていますが、医療費控除を受けるためには3月頃の確定申告の際に自分で申請する必要があります。
確定申告の際には国税庁のホームページなどでダウンロード出来る「医療費の明細書」に年間の医療費の詳細を記入しなくてはいけないので、医療行為に関わる領収証やレシート類などは全て取っておきましょう。
その他にも、健康保険組合が発行している「医療費のお知らせ」などを提出することでも医療費控除の申請をすることが出来ます。
出展:全国健康保険協会
「医療費のお知らせ」であれば、いつ、どこの病院にかかっていくら支払ったのかが一目瞭然で分かりますのでぜひ活用したいところですね。
医療費の領収書の提出は2017年から不要になった
医療費控除を受けるときは、従来は領収書もいっしょに提出しなければいけませんでした。
ですが2017年分の確定申告から提出する義務がなくなり、代わりに5年間は自宅に保管しておかなくてはならなくなりました。
滅多にないとは思いますが、何かの折に領収書の確認を求められることがあるかもしれませんのでしっかりと保管しておきましょう。
医療費控除の申請が終わったからと言って処分しちゃダメなんだね!
ただし、先にご紹介した「医療費のお知らせ」を提出して申請する場合は、領収書の保存の義務はなくなります。誤って領収書などを紛失したり捨ててしまうかもしれない…と不安な方は、こちらを提出した方が安心かもしれませんね。
まとめ:一家で医療費が10万円を超えるときは医療費控除の検討をしよう!
今回は医療費控除の仕組みなどについて解説してきました。
確定申告をする手間が必要になってきますが、医療費控除はいざという時に金銭的な負担を少しでも減らすことが出来るので、ぜひ覚えておきたい制度ですね。
治療に多額のお金がかかってしまったという時や、家族が病院にかかっていたなぁというときはぜひ医療費控除を活用してみましょう。
活用できる制度はどんどん活用していこう!